社会福祉法人やまなみ会 やすらぎの家
この施設は、就労継続支援B型事業、自立訓練(生活訓練)事業、相談支援事業の運営をおこなう障害福祉サービス事業所である。
おもに精神障害のある方を対象に、就職や社会生活に向けての訓練、本人や家族からの相談への対応、福祉サービス利用のための支援等に取り組んでいる。
既存施設および敷地の約半分が平成23年に土砂災害特別警戒区域及び土砂災害警戒区域に指定されたことを受け、安全上の懸念から、施設の移転、建て替えがこれまでの間検討されてきた。
令和元年に施設再整備計画の基本計画および基本設計を策定するためのプロポーザルが実施され、幸いにも当事務所が関わることができ、今回の移転新築により、施設全体として土砂災害や地震に対する安全性を向上させることができた。
移転新築された建物は、木造の平屋建てである。
木に包まれているような、暖かみのある居心地の良い場所をつくることを目標に、周囲の緑や光、風を取り込むことができるように計画した。
道路から奥まった位置に敷地があるため、既存施設の道路からの視認性はあまり良くなかったが、道路側に敷地を拡張した位置に移転新築した効果により、視認性が向上することとなった。
建物は、地域から福祉施設として認知され受け入れられるような構えを、また、就労継続支援事業では弁当や総菜の製造販売をおこなうため、店舗として印象付けることができるような外観を検討した。
この建物が利用者の方の心の平安に僅かばかりでも寄与できることを願っている。
□所在地 愛知県
□竣工□ 2023.03
□用途□ 障害福祉サービス事業所
□床面積 381.25m2
|