浜松城
現在の浜松城は昭和33年に築造され、築60年以上が経過している。前回の外装改修から約20年が過ぎ、経年による外装の劣化が進行していた。
また、NHK大河ドラマ「どうする家康」が2023年より放送されることも相まって、このタイミングで外装改修を実施することとなったようである。
改修設計に先立ち、ドローンによる外壁および屋根等の劣化調査を行い、ドローンで撮影した映像を基に劣化状態を診断し、改修計画を立案していった。
現存する石垣は「野面積」と呼ばれ、歴史的に価値のあるものである。
この石垣に足場をかけずに天守全体を足場で覆わなければならず、足場の設営に関しては設計段階から入念に検討を行った。
現況の天守3重(天守閣)回廊には転落防止のためのネットフェンスが張り巡らされており、これは高欄の高さが低いための安全上の措置だと思われるものの、
ネットフェンスの存在が眺望に影響を与え、回廊全体も閉鎖的な印象であった。
今回の改修では、ネットフェンスを撤去し、既存高欄の内側に地上から目立たないように合わせガラスを用いた高さのある手摺を設置することで安全性に配慮した。
ネットフェンスが無くなったことで眺望が開け、気持ちの良い開放的な眺望場となった。
(株式会社フジヤマの協力事務所として設計監理)
□所在地 静岡県
□竣工□ 2022.12
□用途□ 城郭
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